太陽鐘(てぃーだがに)とは 又吉康美作


 又吉康美作の新しい音が完成しました。
太陽鐘(愛が鳴り響く)と命名しました。

 王朝時代に作られた三線で、高音でカラッとした音を出す三線があります。
憧れている方が大勢いらっしゃるようで、この音が欲しくて古い三線を探して
いる方も多いと聞いています。この音を「チンダガニ」と言います。
 「チンダガニ」と云う言葉を聞いたのは、今から二十年以上前になります。
まだ私が懸命に古い三線の研究をしていた時分です。
 ある古典の先生が来店して、那覇の波の上の三線店で聞いた三線の話をして
下さいましました。その三線店は亡き幸地亀千代さんがよく来店される事でも
有名で、ハワイからのお客さんも多く大変繁盛していました。
その店主が来店した先生に大変感動したと興奮した様子で話されたそうです。
南風原の照屋部落からとても上等な三線(重要文化財指定の知念大工)が来て
いて、その三線の音がとても良い音で「チンダガニぬ如るあたる」と言って、
三線職人になって初めて出逢った素晴らしい音だと話されたそうです。
それから私は開鐘・名器の研究に没頭していましたが「チンダガニ」の音は、
頭から離れませんでした。
 二十余年の研究の末に名器・開鐘の音「太陽の音」を完成させ、さらに研究
を重ね新しい音を模索するなか「チンダガニ」に挑戦しようと決めました。
高音でカラッとした音を作ろうとすると、キンキンした音に成りがちです。
これでは良い音といえません。「太陽の音」で研究した「裕り(ゆとり)」
と「音深(おんいき)」を使って、音色の良さを引き出す事に成功しました。
「チンダガニ(針金のようなスッキリした音)」の音色に「裕り(ゆとり)」
と「音深(おんいき)」を合体させた「太陽鐘」が誕生しました。


太陽の音と太陽鐘の比較
太 陽の音

太陽の音で一番大事な事

1. 裕り
2. 音深
3. 音色

の順序になります。

低音で三線全体から出る音の幅の広さ
絃に撥を掛けた時に立ち上がると同時
に広がる音が空間を作り出す。   
開鐘や名器の音。         

拝領南風原・ 西平・翁長・志多伯・知念大工
太陽鐘

音色に重きをおいています

1. 音色    
     高音、カラッとした音
       チンダガニ(針金)の如く
2. 音色の裕り 
3. 音色の音深 

高音で音色の中に裕りがあり、絃に撥
を掛けた後に退いて地に降りて地面を
這って前に出る音色。深みと味がある
チンダガニの音          

三線を選ばず 現代型の与那・真壁

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