良い三線の見方 又吉康美作

正与那について


 三線の見方の前に「正与那」について説明したいと思います。
 正式な与那型ということで正与那としています。与那城が師匠である真壁
里之子と相談して生み出したのが与那型です。
 その型は真壁を基準とした形です。天には真壁が残り、糸蔵は長く、虹は
女絃タマイ(曲がり)カラクイの穴は中心より下(した)下がりとなってい
ます。棹は厚みを増し、心は力強く音が出る様になってます。
 さる大戦で焦土と化した沖縄には、残念ながら名工達の残した三線は余り
残っておらず、特に与那は残っておりません。
戦火を逃れ、ハワイから里帰りしてくる古い与那は、天が真壁風になってい
る三線がほとんどです。
 しかし、この型を知っている方々は少ない様です。沖縄で天の部分を変え
られてしまった与那が多い事が残念でなりません。
 この機会に、私は先人の残した正与那の事を、皆様に知っていただきたい
と願っています。


正与那
正与那
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